2013年6月25日火曜日

うつ病と痴呆の関係

うつ病は身体的にも影響します。中年以降にうつ病になった人は年をとってから痴呆になる確率が高いっていう研究結果が出ました。

でも未だにうつ病と痴呆の関係ははっきり分かっていません。専門家は何でうつ病と痴呆が関係するのか、どうしたら防げるのかの解明に必死になっています。

何年もこのトピックに取り組んできたバターさんという研究者がいます。彼女はその間中ずっと「治癒が見込める精神障害ってなんだろう?脳の中の何が年をとってから痴呆を起こす要素になっているのか?」と毎日考え続けてきたそうです。

痴呆はいろんな病気によって起こります。例えばアルツハイマーとか脳卒中や何回かの軽い脳卒中による血管性の痴呆症とかです。バターさんの最近の研究で50歳以上の人がうつ病になる確率とうつ病でない人が痴呆になる確率を調べた時、2倍の差があるという事がわかっています。

バターさんはその理由はなんとなく解釈できるといっています。うつ病は体の炎症と関係していて、心臓病や血管系の病気も炎症と関連していて、研究者はこのうつ病と血管系の病気がどのように関係しているのか調べているところだそうです。

バターさんは血管の中にこびり付いた脂肪が血管の内径を狭くするので血液が通りづらくなって、その結果脳などの場所に体が必要とする分だけの酸素を供給できなくなっている事が原因になってるんではないかと考えているそうです。その仮説がもし違うとしても、バランスの取れた食事を取ったり定期的に運動するのはいいことだからやっていかなければいけないと言っています。

バターさんはストレスホルモンコルチゾールが関与しているかもしてないとも考えています。なぜかというと、人間が落ち込んだ時、そのストレスホルモンコルチゾールが以上に上昇するそうで、そのレベルは脳のヒッポカンポスという場所に影響を及ぼす程だそうです。

ヒッポカンポスは沢山のコルチゾールレセプターがあるからコルチゾールがありすぎる状態が長く続くとレセプターが疲れ果ててしまって死んでしまってヒッポカンポスが萎縮するということになってしまっている可能性があるというのがもう1つの仮説だそうだ。

ヒッポカンポスは学びとか短期的な記憶などに司る場所で、初期の痴呆症では一番に症状が出てくる所がこのヒッポカンポスだそうです。例えは朝ごはんに何を食べたとかちょっと前に人に何を言ったかという事を忘れてしまうとかです。

ほかの研究で、慢性的にうつ病に苦しんだ女性は同じ年のうつ病でない女性と比べてヒッポカンポスが小さかったとレポートしています。

老人精神科専門のチャーリー医師もうつ病の治療が結果として痴呆症の予防につながると言っています。

このチャーリー医師が行った研究で、関心する結果がでています。チャーリー医師は老人の家にカウンセラーを訪問させてうつ病のリスク要因を探しました。例えば不眠症、運動をしない、栄養が偏っている、社会から隔離されているなどをリスク要因として判断しました。

そのリスクがある人に6~8回カウンセラーがカウンセリングを行って、その個人が持っている問題を自分で解決出来る様に支援しました。その結果、その後2年間のうちに8~9%もうつ病の発症率が低下したそうです。この研究ではいろんな人種のいろんな社会階級の人たちが参加しているそうです。

今後はもう少し若い年齢の人に同じような研究をしてどのような反応を見つける事ができるかという事を調べるのが医療の次のステップとなっています。

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